「ねえ、きいてよ!」
「ねー!今日やなことがあったー!」
6年生のサラちゃんが勢いよく事務室にやってきました。いつもは年下の子たちに囲まれて、オンブをしたり、トランプをしたり。サラちゃんは皆のお姉ちゃん的存在です。
「漢字のテストでさー、漢字は書けてたのに、送りがな書き忘れてさー」うんうん。
「隣の席のタカジって子がいてさー」うんうん。
「いつもはウチのほうが点数高いのに、そのせいで負けたんだってー」ありゃりゃ。
「あ、明日お母さん誕生日でさー」それはおめでたいね。
「この前部活の試合でさー」ほうほう。
いつの間にか、[今日あったやなこと]というテーマは終わっているようです。
「あー!サラちゃん!ここにいたのー!」「あそぼーよー!」年下のルミちゃんたちがサラちゃんを見つけて、やってきました。
「ああ、ちょっと待って。今大事な話してるから」サラちゃんは言いました。「えぇー・・・」ルミちゃんたちは引き上げていきます。
「でさー」サラちゃんはとりとめのない話を続けます。
普段、年下の子達と遊ぶのがイヤなわけではないはずです。ただ、こうやってゆっくり話したい日もあるんだよね。
サラちゃんは、気が済むまで事務室で話をすると、「そろそろあそんであげなきゃー」と立ち上がりました。
「また来てねー」と私が言うと、「はーい」とサラちゃんは事務室を後にしました。
相談でも、グチでも、世間話でも、休憩でも、子どもたちが「きいてよー!」と言える存在でありたいです。