行きたくない気持ちにも寄り添って
シュウくんは一年生。入所し1ヶ月たちます。 だけど、小学校に行き、学童に来て、おうちに帰るという生活リズムがなかなかしっくり来ていないようです。 お母さんも「学童に行きたくないと家で言うことがあって・・・」と困っていました。 ある日、小学校にお迎えに行くと、浮かない顔でシュウくんが呟きました。 「学童いきたくない」 何かイヤなことがあったわけではないようです。ただ、気が向きません。 それをシュウくんなりに言葉にしています。 これはチャンスと思いました。 「じゃあ、このままどっかに行っちゃおう!」 あさがお学童の前まで行き、ランドセルだけ置くと、同級生のミイちゃんも一緒に私たちは散歩に出かけました。 散歩の最中、シュウくんはよく笑いました。 「次こっちいこう!」 「ここのお店しってる」 いつもよりたくさん言葉が出てきます。 30分くらい歩くと、 「疲れた〜」 とシュウくん。 「もう歩けない〜」 とミイちゃん。 二人とも笑いながら言います。 「あさがおでお茶飲んで、ゆっくりする?」 と私が言うと 「うん!」 と二人はまた歩き出しました。 次の日、シュウくんはミイちゃんに 「今日もさんぽ行く?」 と話しかけました。 シュウくんから他の子に話しかける姿を、私はこの時にはじめて見たのでした。 そんな日が何日か続くうちに、いつの間にかシュウくんが「学童いきたくない」と言うことはなくなっていました。 シュウくんが欲しかったのは、[なにか楽しいことが起こるかも?]そんなワクワクだったのかもしれません。